免疫療法研究の再考に有用なイメージングフローサイトメトリー

研究者は、さまざまな免疫療法の研究用途でAmnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーターを使用しています。

免疫療法は、がん治療において大きな飛躍をもたらしてきました。この種類の治療法は、被験者の免疫系を強化することで、自然な闘病メカニズムを活性化し、従来の治療法よりも副作用を抑え、より良い治療結果をもたらします1,2。中には、予後不良の被験者を寛解させたり、無増悪生存期間を延長させるなどの、免疫療法が目覚しい成果を上げている事例もあります。

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研究者のがんに対する理解が深まり、免疫療法が従来のがん治療と比較してどのように治療成績の向上に貢献するかが明らかになるにつれ、これらの新しい治療法の開発をサポートする科学的ツールの必要性が高まっています。そのツールの一つが、LuminexのAmnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーター です。このプラットフォームは、迅速に画像を取得する強みとコンピューターによる画像分析を組み合わせて、がんの進展と治療の背後にある作用メカニズムを研究者がよりよく理解するために役立ちます。

イメージングフローサイトメトリーは、さまざまな研究ニーズに対応することができます。ここでは、Amnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーターを用いて実施された免疫療法研究の一部をご紹介します。

ナチュラルキラー(NK)細胞療法

腫瘍の免疫逃避能力により、NK細胞をがんに対する持続的な治療法として利用することは難しいと言われてきました。しかし、サイトカインで活性化された二重特異性抗体を搭載した臍帯血由来のNK細胞とAmnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーターを用いることで、Lucila Kerbauy博士らはNK細胞の抗腫瘍効果を劇的に改善することができました

CAR-T 細胞療法

CAR-T 療法は被験者からT細胞を採取後、ex vivoでそれらを改変してがんに対する被験者の免疫系の認識能力を高め、がん細胞を死滅させるプロセスに基づいています。 Kristen Fousek 博士らの研究において、Amnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーターは、CAR-T細胞の結合と抗がん活性を定量するために用いられました

モノクローナル抗体

モノクローナル抗体は、がん細胞上の標的分子に結合し、被験者の免疫系でがん細胞を破壊するためのマーキングをします。その点を考慮し、Paul Beum博士と彼のチームは、Amnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーターを用いて補体タンパク質とモノクローナル抗体の共局在を測定しました。そして、がんを標的にするために、どのようにモノクローナル抗体を用いることができるかを明らかにしました

免疫チェックポイント阻害剤

免疫チェックポイント阻害剤は、強力な抗腫瘍反応を妨げうる免疫チェックポイントを阻害する薬剤またはタンパク質です。この研究においてKiran Kundu博士らは、Amnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーターを用いて、がん細胞表面の増殖細胞核抗原(PCNA)に対して彼らが開発した免疫チェックポイントを阻害するモノクローナル抗体が、NK細胞の抗腫瘍反応をどのように増強するかを示しました

 


 

薬物、モノクローナル抗体、CAR-T細胞の移植療法に対して細胞がどのように反応するかについて、定量的なイメージングフローサイトメトリーは研究者の理解を深めるセルヘルスの豊富な情報を提供します。

イメージングフローサイトメトリーがサポートしてきた免疫学の他の発見に関する手法についてお知りになりたい方は、以下のリソースをご覧ください。

 

Amnis™ ImageStream™X Mk II イメージングフローサイトメーターは、研究用機器です。体外診断用機器としての使用はできません。研究用試薬と併せてお使いください。

引用文献

  1. Tan S, Li D, Zhu X. Cancer immunotherapy: Pros, cons and beyond. Biomed Pharmacother. 2020 Apr;124:109821. doi: 10.1016/j.biopha.2020.109821.
  2. Yang L, Wang L, Zhang Y. Immunotherapy for lung cancer: advances and prospects. Am J Clin Exp Immunol. 2016;5(1):1-20.

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